当日は寒い中、お集りいただき誠にありがとうございました!
3回目の今回は人数も多く、過去最高の濃い内容だったのではないでしょうか。
開催より大変遅くなりましたが、レポートをお届けします。みなさまtwitterアカウントをお持ちでしたので、お名前よりリンクさせていただいております。
参加の歌さんがイラストでレポートをアップしてくださいました!臨場感ばっちりのこちらもあわせてどうぞー!
投影したものを撮影しているので、写真の見栄え悪くてすみません…。
2010年3月28日(日) 天気:寒くて小雨
〒141-0021 東京都品川区上大崎2-11-10 Fujiwara Building, 5F
〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-30-12 青葉台ビル 1F・2F
トップバッターは第1回からご参加いただいているargonさん。今回はなんと製作中の書体をご紹介くださいました。たずさわっていらっしゃるCMSに合う書体を作っていますとのことで、どこか未来らしさの漂うかっこいい書体です!
フォント化ツールはTypeToolを使用されているとのことで、海外製のソフトならではの苦労話も。次回はまたさらに進化したフォントになっているのでしょうか!?
書籍のデザインやご自身で書体も作られている山田さんは、なんと個人的に秀英体32ポイントをデジタル化中(!)。暮らしの手帖など古本を買い集めスキャンしてフォント化されているそう。今のところ社内限定で使用されているそうで、書店で見かける日ももうすぐ…?
ぬ、ゑ、ユ、ヰ、ヱ、ヲが足りないので探してらっしゃるそうですが、社内リリースされたそうなので見つかったのでしょうか…?
アラビア語を用いたタイポグラファーや作品のご紹介。近年雑誌でも見かけるようになったアラビア語のタイポグラフィーですが、カリグラフィ系からグラフィック系まで、メッセージ性の強そうな作品が多く圧倒されました。
自分が読めない言語って、ビジュアルをさらにかっこよくみせる気がします。
大学でデザインを教えられているというかみひらさん。生徒さんに書体への興味をもってもらうため、授業の一環で行われている書体神経衰弱をご紹介くださいました。書かれている内容ではなく、書体の形でペアをつくるというもの。これはぜひ挑戦してみたいです!
デザイナーのhirofumixさんは、なんとナンバープレートの書体のリニューアル提案!既存の書体の組み合わせってなんだか統一感がないと思いません?ということで、バランスのよい組み合わせをご提案してくださいました。じゅん+VAG Rounded、AXIS+Futuraなどなど。ぜひ道路公団にプレゼンを…!
個人的には道路公団ゴシックとDINの組み合わせがプロダクト色がつよくてかっこいいなーと思いました。
デザイナーのmellowpxさんは、オールドスタイル数字について。生まれる経緯、ライニングとの違いなど、使用例もふまえ、ご紹介くださいました。特に日本でなぜ使われないかについては、やはりデザイナー自身がオールドスタイル数字について知らないからでは?という考察も。
Open type版のフォントはオールドスタイルも切り替え楽で重宝しています。Garamondのオールドスタイル数字はエレガントで美しいですよね!
デザイナーのplusdesignさんは、Bodoniを使用した扉ページについての考察。使用書体のポイント数から紙面の余白サイズまで解析されており、文字好きさんのみならずエディトリアルの方も興味をそそられそうな内容でした!
1400年〜1800年代あたりの書物では現在のようなグラフィカルな表紙が難しかったため、凝った扉ページが多く、タイポグラフィの研究対象として見逃せないそうです。古い書物に触れる機会がありましたらぜひチェックを!
デザイナーの船木さんは、TeXを使用した組版のご紹介。正字・正假名で組まれた日本語は、情感もありますよね。声に出して読みたい!
ご自身のサイトでも正字・正假名についてご紹介されており、興味のある方はぜひ!
ライター、編集者の雪さんは発行予定の本より、写真と書体デザイナーさんのメッセージをご紹介いただきました!巨匠たちのメッセージとお写真がほんとうに染みました。発売前ということもあり、画像が出せないのがほんとうに残念…。
制作過程も見れるブログはこちら!待ち遠しいですね!
紙ラボ主催の野口さんは、なんとご自身の卒論より「表態文字としてのひらがな」についてのご紹介。
「安」→「あ」のように漢字から生まれたとされるひらがなですが、じつは書き心地が形になったのでは?という野口さん。「さらさら」はさらさら書けるし、「ふわふわ」は筆が左右に移動し、ほんとにふわふわしてますよね!と、なるほど確かに!
非常に興味深い、すばらしいプレゼンでした。時間の都合で詳しく伺えなかったのが残念…!
デザイナーの良太郎さんは「濃淡を遠近感にたとえると、文字が立体的に見えませんか?」と、かなの筆脈を擬似的に立体化!
紙をドライアイスの煙に例え、まるで霧の中から文字が現れるような不思議な印象でした。水墨画のような幽玄な雰囲気もあり、かなを見る目がまた変わりそうです…!
WEBデザイナーの_chrさんは前回に続き日本語がテーマ。古来からの「文字遊び」に関するプレゼンです。馴染みのある「ネ申」という表現から、子が12個でなんと読むでしょう?(答:ネコのコ、コネコ、シシのコ、コジシ(猫の子、子猫、獅子の子、子獅子))まで、日本語の感性ならではの楽しいプレゼンでした!
703は日本語書体の記号について。雲の記号を取りあげ、書体ごとの形の違いの面白さをご紹介しました。Macの方は普通に「くも」変換で出てくると思うので、ぜひ色んな書体でお試しください!
イラストリーマー歌さんは今回の文字飲みをなんとイラストで表現!お席が隣の方曰く、「すごいスピードで書かれてました!」とのこと!模造紙いっぱいの議事録は圧巻です。
歌さんのサイトにて公開されていますので、ぜひこちらもどうぞー!
場所を移し、@hirataroさん、@arumumuさん、@ong_tさん、東條さん、まみんこさんを加え夜の部開始。豆乳鍋を囲みつつ(〆はゆかりリゾットに!)、文字を肴に盛り上がりました。mellowpxさんが持ってきてくださったType Trumpsに盛り上がったり、まみんこさんのポートフォリオ(今回はプライベートワーク!)をご紹介いただいたりで、大変楽しい夜でした!
お店が照明暗めだったのとお話と食べるのに夢中で、写真ほとんど撮ってませんでしたすみません…
文字飲み東京、次回は秋頃の開催を予定しております。
そしてなんとTypoNight Fukuoka #2が開催決定しました!
主催は前回に続きタロウさん。703もおじゃまします!
そして関西圏の開催を今年こそ…!